カイコ創薬に興味のある若い皆様へ
大学生・高校生の方へ|若い皆さんのご訪問を歓迎いたします。このホームページの内容に興味を持ってくださった学生諸君(大学、高校を問いません)は是非私達にご連絡ください。新しい学問の始まりには、若い諸君の参加が是非必要です。機会を見つけて、私たちの研究室を覗いてみてください。カイコを使った新しい創薬、食品開発の研究の現場をご紹介いたします。
若い研究者の方へ|カイコ創薬に関する研究を私達と一緒にやってみたいという研究者の方、是非ご連絡ください。私たちは、研究結果を国際誌に発表することを特に重要な課題としています。それを私達と一緒にしてくださる意欲のある方を募集しております。
私たちの研究がAMEDの課題に採択されました!
この度、カイコモデルを用いて発見された新規抗菌薬「ライソシンE」の前臨床試験に関する研究課題「新規作用機序を有するAMR感染症治療薬の非臨床開発研究」が、AMEDの研究課題として採択されました(研究代表者:関水和久)。以下に詳細を記します。
2022年6月 カイコ創薬学講座特任教授 関水和久
<本研究課題について>
本研究ではAMR感染症治療薬のコンパクトな治験実施のための非臨床開発研究の基盤構築の一環として、ライソシンEを既存抗菌薬に無効なMRSA感染症に対する治療薬として臨床開発するための非臨床開発研究を実施する。ライソシンEは、土壌細菌(Lysobacter属)の培養液より見いだした新規構造の化合物である。また、ライソシンEは細菌の細胞膜に特有に存在するメナキノンを標的とする新規作用機序を有する抗菌物質であり、安全性も高いと推察される。また、既存抗菌薬には認められない極短時間で強力な殺菌活性を示す。また、ライソシンEは血液などの生体成分によって抗菌活性が上昇し、治療効果にも寄与しているというユニークな特徴を示す。これまでに、ライソシンEについては、AMEDの創薬ブースター事業の支援を受け、生産性の向上を果たし、さらに全身感染モデルにおいて優れた治療効果を発揮すること、及び、様々な薬物動態試験、安全性試験等を実施し、いずれにおいても良好な結果を得ている。これらの成果を基に本研究では、ライソシンEの特長を活かした、治療上のポジショニングを定めるための試験を実施する。まず、様々な感染モデルにおける治療効果を既存薬と比較する。また、PK/PD解析を実施し、薬効と相関する薬物動態パラメーターをあきらかにする。さらに、ライソシンEの耐性菌を取得し、耐性化メカニズムをあきらかにする。これらの非臨床研究成績に基づきターゲット疾患を絞り込み、耐性化の抑制も考慮した臨床用法および用量を設定する。本研究は、ライソシンEについて、既存治療薬が無効あるいは効果不十分なMRSA感染症治療薬の開発のために実施するが、ライソシンE以外のAMR感染症治療薬に応用可能な非臨床開発研究の基盤構築にも寄与するものと考える。
寄付講座の設立にあたって
この度、帝京大学薬学部の寄付講座として「カイコ創薬学」を設立することとなりました。これは各位のご尽力の賜物であり、厚く御礼申し上げます。特に帝京大学理事長の冲永佳史先生には、小生の研究者としての活動に深いご理解をいただいており茲に改めて感謝申し上げます。また、寄付講座開設にあたり、ご支援を申し出て頂いた株式会社ゲノム創薬研究所の安川喜久夫代表取締役社長に御礼申し上げます。今後本講座は、カイコ創薬の研究に貢献する、大学関係者、ゲノム創薬研究所の研究員、並びに、多くの医薬品食品メーカーの関係者のお力添えに支えられて運営されることになります。講座を担当する私たちといたしましては精一杯の努力をしてゆく所存ですが、皆様のこれまで以上の御支援御鞭撻をお願い申し上げます。
We are pleased to announce the launch of Drug Discoveries by Silkworm Models as an endowed course in the Faculty of Pharmaceutical Sciences, Teikyo University. I would like to express my sincere gratitude to all the people who have contributed to this project. In particular, I would like to express my gratitude to Dr. Yoshihito Okinaga, President of Teikyo University, for his deep understanding of the research activities. I would also like to express my gratitude to Kikuo Yasukawa, President of Genome Pharmaceuticals Institute, Inc. for his support in establishing this endowed course. We will make our best effort to do everything we can, and we would like to ask for your further support and encouragement.
2021年4月
帝京大学薬学部寄付講座「カイコ創薬学」特任教授
関水和久
現在獲得している主な研究資金
文部科学省「科研費」 基盤研究(B) 代表
文部科学省「科研費」 若手研究 代表
文部科学省「科研費」 基盤研究(C) 分担
日本医療研究開発機構 令和4年度新興・再興感染症治療薬開発推進研究事業 代表